プレゼントを考えよう

「……という訳で、初めての算数のテストでクラス一位を取ったアカリさんのために、内緒でサプライズパーティーを計画しています」

「サプライズ! パーティー! ひゃっほーう! 手始めに国で最もデカい遊園地を買収して年中貸し切り状態にしてやろう! 次は農場と漁場を買い占めるッ! あらゆる平凡な料理と珍味を日々味わえるように!」

「お前の手始めは俺が一生かかっても始められないプランなので却下」

「なんだあ、つまらーん。キサマのヘルメット顔面のようにのっぺらとした大変退屈な男だな、まったく。そんなみみっちいスケールでご婦人を喜ばせられると思うなよ」

「だーまーれー。今直ぐ黙らねえと我が家の窓から摘まみ出すぞテメェ」

「ぬおっ。設定に埋もれがちだが、キサマが怪力持ちであったのを忘れていた。わかった、わかった。暫し口を閉じておいてやるから下ろせ。襟首をひょいと掴むんじゃあない、この罰当たり。不埒者」

 

「という訳で、神父さんとナイトさん、リヒトさんとキユウさん達にも準備をお願いしている訳で。俺とお前はプレゼント担当な」

「遊園地を、」

「セレブ思考から離れろ」

「むう。……とはいえ、吾輩、曲がりなりにも神様だからな。ハンドメイドとかになると、新たな聖遺物的なものができちゃうけど良いのか? 手編みのマフラーとか、手作りクッキーとかにも使いようによっちゃ星を一個爆破できる呪詛が籠っちゃうんだけども」

「痛恨の人選ミスだな、俺! いや、手作りじゃなくていいんだよ。えーっと……ほら。お前のが何気にアカリと遊んでたりするから。あいつが最近気に入ってるもんとかあれば、教えてくれればさ。それを俺が用意すれば……」

「そういえばアカリ、最近チャンバラ好きが高じて欲しがってるもんがあったなあ。あれ。ジャパニーズサムライソード」

「日本刀」

「ちゃんと焼き刃した業物がいいとはしゃいでおった」

「よくわかんないけど、それ所持するのに許可取らなきゃ駄目な奴じゃない……? お前ら俺が知らない内に、なに二人でそっと専門的な扉を開けてるの……?」

「チャンバラの次は早撃ちガンマンごっこにシフトしようと思っているのだ。吾輩のパーフェクトプランに抜かりはないぞう。アカリは大変筋がいい。いずれ大人になった時には任務完遂率九割の凄腕ヒットマンに……」

「俺の大事な妹分に何してくれてんだこの野郎」

「待て待て、カガミ。話せばわかる。話せばわかるから、まず吾輩の首を鷲掴みにした手を放すところから始めんか」

 

「あー! ちょっぴり分かっちゃいたけど、全然参考にならねーッ!」

「なんだ、ちょっぴり分かってはいたんだな。では吾輩はキサマのご期待通りであったという事だ。ふはは」

「本気で一発ブン殴ったら、何かしら体内で化学反応でも起こってまともな善神にクラスチェンジしねえかな、このどうしようもない悪神……」

「おっと。カガミが昔のやんちゃ時代を思い出しつつあるのか、発想がデンジャラス寄りになってきとるな、これはいかん。アカリはな。オマエが選んだものなら何でも喜ぶと思うぞ」

「……。あー。お前さ、たまにそういう事言うから、もう……」

「曲がりなりにも神と言ったろうが、戯け。わかったらさっさと知恵を絞らんか。結局、遊び相手の吾輩より、キサマの方がアイツの事をよく見ているんだから」