主役を連れてこよう

「アカリさんの初試験、学級一位をお祝いする部屋の飾りつけも終わった頃でしょうね……。ナイトさん、あとは……主役をお連れするだけです」

「学校が終わってから、珍しく真っ直ぐ家へ帰ろうとするアカリ嬢を程々に引き留めたり、泳がせたりするのは骨が折れましたな。まあ、楽しい時間でありましたが」

「普段、ここまで時間をかけて……あの子と一緒に居るだなんて、我々にはありません、でしたから。……気づいたらジャングルジムの天辺に居ますよ、手を振っています」

「はは。まったく、男子顔負けの行動力だ。あのお転婆さんは、将来どんなレディになるんでしょう」

「……さて、それはさすがに……我々にも与り知らぬ事。わかってしまったらつまらない事、です」

「違いありません。どうも結論を急ぎ過ぎてしまう、歳は取りたくないものだ」

「しかし、時間は過ぎる……歳を重ねていく。あの子も、我々も……全ては等しく、平等に」

「わかっています。そうであるからこそ、自分に許された時間の多くを小さな命に注いでやらなくては。今はまだ己のためだけに真っ直ぐ生きるあの少女が、いずれ同じように誰かを慈しめるように」

 

「――ところで……ナイトさん。……この公園へやってきた直後……つい彼女にアイスクリームを奢ってしまった件は、カガミさんへ内緒にしておく方針で異論はないでしょうか……」

「はは。貴公は話が早くて助かります。夕食前におやつを食べさせるとカガミ殿がうるさいですからな。あれは我々三人の内緒にしておきましょう」