冬の夜

 夜更けの星座を鋏屋の指が辿る。辿り着いた満月の背中に窪む、肩甲骨を彩る赤い星。くすぐったそうに笑う声が、夜色をした毛布の毛並みを逆立てさせた。

「外はさぞ寒いんだろうな」

 たった二人分しか居場所の無い、この地上で一番狭い世界に身を寄せる。

 夜が明けるまでは朝が訪れるなんてとても信じられない。うつらうつらと紡がれる吐息を追いかけようと、相手の口ずさむ無言の子守歌に耳を澄ませた。