二人の会議

 手を繋ぐもっともらしい理由を考えました。最初は冗談かと思ったが、執事さんは真面目だ。真剣な顔で白紙のページに手を握り合う棒人間を描き始めた。

『大人同士が手を繋いでいる理由として、想定されるケースはいくつかございます。片方が呑んだくれており前後不覚であるか、ある内輪のパーティーで課された罰ゲームであるか、望まぬ場所への同行を強要しているか』

 なるほど。しかしどれもあまりろくな例では無い。――恋人同士だったら、別に手を繋ぐのに理由なんざ無いんじゃないかねえと呟く。

 傍らの執事さんは弾かれたように顔を上げると、ペン先で俺の方を指した。『それでいきましょう』