夕暮れ通り

「鬼ごっこする?」

「ふえる鬼とかどう? 鬼にさわられたひとは、みんな鬼なの」

「でも、もう時間が遅いよ。カラスも鳴いてるし、帰らなきゃ心配させちゃう」

「もうちょっとだけなら大丈夫だよ」

「道の先にひみつきちがあるんだよ。アカリも連れてってあげる」

「いくじなしのカガミのことなんて放っておけばいいよ」

「カガミのこと、悪く言わないで」

 

 陽が沈む。どんどん沈む。道の後ろから名前を呼ぶ声。

「カガミ、迎えにきたみたい。わたし、もう帰る」

「つまんないの」

「明日んなったらもう会えないよ」

「今日はもう二度とこないよ」

「ほんとに」

 

「口惜しい」

 

 しゃがれた恨み言に思わず足が竦む。戻りそうになる未練は、手を取ったカガミが払った。

「夕方になったら帰ってこいっていっつも言ってるじゃんか」

「あ……ごめんなさい。でもね、道の先に、秘密基地がね……」

「またまた。ここは袋小路なんだから、道の先には何にもないだろ?」