買い物に出かけよう

「アカリさん、アカリさん。ちょっと一緒に買い物行ってくれる?」

「いいよ、八百屋さん? 肉屋さん?」

「両方。あと魚屋も寄りたいな、米屋と……」

 うんうんと頷きながら支度を始めるアカリを待ちながら、カガミはちらりと生活費が入った財布を覗き見る。

「――たまにはケーキとか買う?」

「ケーキ!? すごいね、だい! ふん! ぱつ!」

「ふ……アカリさんてば興奮しすぎだぜ、これじゃちっこいの一個だけとか言いづらい……」

「一個だけじゃヤダな。カガミと一緒に食べたいもん」

 小さなポシェットをさげて笑う少女の返答に、無貌の青年は驚く。やがて、ぽりぽりとヘルメットの上から顎を掻いた。

「そりゃありがとさん。……とか言って、隙を見て俺の分も狙ってないか? ちゃっかり二個食べようとしてたりとか」

「……ううん、そんなこと考えてないよ」

「アカリ? 俺の目を見て言って?」