シサイの正体

「……オマエ、手慣れてるな。人間を殺すのに迷いがない」

 シサイが教会裏の墓地に骨を埋めていると、どこからか紛れ込んだデセオが無関心に声をかけた。神父は手を止めぬまま、掘った穴にぱらぱらと人骨を葬る。

「誰も彼もが罪を犯した者達です。彼らはいずれ死した時、冥府で罪を量られる。その時、単に殺人や強盗を働いた加害者ではなく、最期は化け物に殺された被害者でもある……とした方が、まだ情状酌量の余地があるでしょう」

「ふうん。てっきり、ただ腹が空いていただけなのかと思った」

「どちらも同じ事です。私は屠畜の選別に関する話をしていたのですから」

「キサマにとって人間は家畜か」

「いいえ。人間は、人間ですよ」

 まるでおかしな事を聞いたように、シサイはゆるりと首を傾げる。それを見て、デセオは初めて嫌悪に顔を歪めた。

「なら、キサマは本当にただの化け物だ」

 まるで当然の話を聞いたように、シサイはにこりと笑みを返した。