リヒトさんを紹介します

「……こんにちは」

「アカリか。こんにちは、どうした。オレに何か用事か?」

「えっと。学校の宿題で……」

 今日もリヒトさんは見あげるほど大きい。

 大きいのは遠いってことだ。

 きらきら光るきれいな灯台を怖いって思わないけど、てっぺんまで上ると地面が遠くて、怖いって思う。それとおんなじ。遠くて、怖い。

 リヒトさんは静かにこっちを見下ろしながら足をとめてくれている。早く言わないと!

「が、学校の宿題で……わたしの、大切な人を紹介するっていうのが……」

 だから、だからと続けようとした言葉は。

「――オレの事も、書いてくれるのか?」

 遠いところで咲いた笑顔に、驚いて消えてしまった。あれよあれよと喫茶店に連れられて、ケーキとジュースをおごってもらって。最初からおしまいまで、リヒトさんは楽しそうで。

 椅子に座ったわたし達の目線はおんなじだから。もう、ちっとも怖くなんかないのでした。