短編小説

短編小説 · 2018/03/11
 赤い衣をはためかせて少女が駆けていく。  冷たい雨の降る夕刻だった。重苦しく天を塞いだ鉛色からは、尽きぬ落涙を思わせる悲哀を帯びて滴が落ちる。  石畳を裸足で走り続けたせいで、赤く切れた皮膚を労わる暇もない。乱れる呼気に嗚咽が混じり、頬に叩きつける雨が涙に混じって口の中へ入る。  何にも構っていられない。とにかく、逃げなければ。...
短編小説 · 2017/12/16
私達はいつだって、大人の真似事をしながら / 第191回 短編小説新人賞 もう一歩の作品
短編小説 · 2017/08/21
 月の冴えた夜だった。  降り注ぐ光の冷たさか、あるいは通り過ぎた夜風の冷たさか。口の中から飛び出した自分のくしゃみの音で、アカリはぱっちりと目を覚ます。 「……カガミ?」...
短編小説 · 2017/08/21
※流血表現あり※